セミナーレポート「シュトラウスとめぐるウィーン」

レポート

 今年はシュトラウス2世の生誕200周年にあたるということで、ウィーン在住のオーストリア国家公認ガイド、今井謙さんとオンラインでつなぎ、シュトラウス2世について、ゆかりの地や生誕200周年記念イベント等についてお話いただきました。
 オーストリアでは、ガイドの国家資格を持たない人がガイドをすることは禁じられており、違反すると入国禁止などの処罰もあるそうです。今井さんは数年前に、厳しい試験に合格し、現在はガイドとしてウィーンの様々な場所をとびまわっているそうです。

 ウィーンの1年は有名なニューイヤーコンサートで始まり、12月はオペラ座で「こうもり」が上演されて年が終わるそうで、この街はワルツ抜きには語ることができません。数々のワルツやオペレッタの名曲を作ったシュトラウス2世の生誕200年も特別な年であるようです。

 セミナーの前半はワルツや、シュトラウス家とシュトラウス2世の生い立ちの説明から始まりました。シュトラウス1世は息子が音楽家になることを望まず、バイオリンを習わせようとしなかったこと、息子の初めてのコンサートの許可を出さなかったこと、といったエピソードも紹介され、音楽一家で何不自由なく技術を磨いたとばかり思っていたため、非常に意外で面白く感じました。また、3回の結婚生活や、大規模な海外公演についてのエピソードも紹介されました。
 後半は、シュトラウス2世ゆかりの場所、記念碑、住居や墓に加えて、新しい施設「House of Strauss」や、シュトラウスの人生を埋没型の展示でたどることができる「ヨハン・シュトラウス博物館-新次元 (Johann Strauss Museum – New Dimensions)」も紹介されました。この博物館では自分でオリジナルのワルツを作ることもできるそうです。また、市立公園内にある金色のシュトラウス像は、戦時中に金がはがされ、再度金色に塗られたのは1991年になってからとのことで、意外にも金色ではなかった時期の方が長いというのも面白いエピソードでした。

 2時間のセミナーでシュトラウス2世についてたくさんのことを学び、ウィーンでは、その生誕200周年が街をあげて祝われていることがわかりました。今年は他にも特別展や誕生日コンサートなど関連イベントがたくさん予定されているそうです。セミナーに参加できなかった方も、もし関心がありましたら、ウィーン観光局のウェブサイト(https://www.wien.info/ja)をチェックしてみてください。

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