懇談会サロン
懇談会サロンは、原則毎月開催します。その時々の日独のトピックス、問題等をテーマにします。協会への提案、アドバイスもお話いただける談論風発の会にしたいと考えています。
10月のテーマ:「日独交流の原点とは?」
講師:瀧沢敬三氏(日独協会会員 元武蔵野美術大学勤務)
日時:2025年10月20日(月)18:00~19:30
会場:日独協会セミナールーム(会場までの地図)
会費:日独協会 会員500円 一般1,000円 ※当日会場でお支払いください。
定員:対面24名
申込方法:お名前、日独協会の会員番号(会員ではない方は不要)、メールアドレス、電話番号を記入し、世話人の木田理事にメールでお申込み下さい。
申込先(木田理事)メールアドレス: hi-kida(a)aurora.ocn.ne.jp ※(a)は@に書き換えて下さい。
講演要旨
今から61年前、1964年の東京オリンピックの年。早稲田大学ドイツ研究会のメンバー4人が計画し、実現させた「西ドイツ一周研究旅行」がありました。4か月半にわたるその旅の記録は、2021年にドイツ語版(Iudicium刊)として出版されています。先日その書評が、ドイツのWeb上で的確に紹介されていました。この機会に改めて、「日独交流の原点とは何か」について、皆さんと共に考えてみたいと思います。
11月10日のテーマ:「ドイツと日本の移民・難民政策の比較」
(開国する日本/引き締めに傾くドイツ—半世紀の移民・難民政策)
講師:滝澤三郎先生(東洋英和女学院大学名誉教授)
日時:2025年11月10日(月)18:00~19:30
会場:日独協会セミナールーム(会場までの地図)
会費:日独協会 会員500円 一般1,000円 ※当日会場でお支払いください。
定員:対面24名
申込方法:お名前、日独協会の会員番号(会員ではない方は不要)、メールアドレス、電話番号を記入し、世話人の佐藤理事にメールでお申込み下さい。
申込先(佐藤理事)メールアドレス:s-kmtaym(a)nifty.com ※(a)は@に書き換えて下さい。
講演要旨(講師言):
ドイツと日本の移民・難民政策の大きな流れを、安全保障・市場・人権・文化の四視点で比較し、制度が振り子のように変化してきた構造をデータと制度史から読み解く。ドイツは、戦後復興期の外国人労働者受け入れと定住化、2000年代の「移民国家」への転換を経て、2015年以後の大規模受け入れに伴う住宅・教育・治安等の摩擦を背景に、AfD台頭、国境管理・給付制度の見直し、外部化など管理強化の局面にある。他方、日本では、インドシナ難民受け入れと1981年の条約加入を起点としつつ、その後の「難民鎖国」期を経て、2010年代の制度改革、2018年特定技能による本格的な外国人労働者受け入れ、2023年の補完的保護創設など「選択的開国」が進むが、最近の参政党の伸長に見られるように、社会の警戒感も顕在化している。講演のの最後に、両国の動向が持つ国際的含意を整理し、日本向けの政策オプションを考える。
講師プロフィール:
東洋英和女学院大学名誉教授・公益財団法人ケアインターナショナル・ジャパン副理事長。
1948年長野県生まれ。埼玉大学、都立大学大学院を経て法務省。カリフォルニア大学バークレーMBA取得、カリフォルニア州公認会計士試験合格後の1980年に国連に入り、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、国連工業開発機関(UNIDO)を経て2002年国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)本部財務局長。2007年—2008年UNHCR駐日代表。2009年—2016年東洋英和女学院大学教授。2014年‐2019年認定NPO法人国連UNHCR協会理事長。法務省(入管庁)のアドバイザーなども務める。日本の難民政策にかかる著書・論文が多数。趣味は65歳で始めたマラソン。
11月17日のテーマ:「ドイツ語と日本語におけるコミュニケーションの比較
― 心態詞が映し出す文化的感覚」
講師:綿谷エリナ氏(ラジオDJ/エッセイスト)プロフィール詳細は下記
日時:2025年11月17日(月)19:00~20:30 ※通常開催時と時間が異なります。ご注意ください。
会場:日独協会セミナールーム(会場までの地図)
会費:日独協会 会員500円 一般1,000円 ※当日会場でお支払いください。
定員:対面24名
申込方法:お名前、日独協会の会員番号(会員ではない方は不要)、メールアドレス、電話番号を記入し、世話人の木田理事にメールでお申込み下さい。
申込先(木田理事)メールアドレス: hi-kida(a)aurora.ocn.ne.jp ※(a)は@に書き換えて下さい。
講演要旨
ドイツ語と日本語のコミュニケーションは、言語構造だけでなく、話者が言葉を通じて伝えようとする「ニュアンス」や「感覚」の面でも大きな違いを持っています。特に、ドイツ語における心態詞(Modalpartikeln)は、文の意味内容そのものを変えるのではなく、話し手の感情や、相手との関係性を繊細に表現する役割を担っています。今回は、ドイツ語の心態詞が果たす機能に注目し、ドイツ語話者がどのようにそれらを使い分けているのか、また日本語における会話のスタイルと比較して考察します。 さらに、参加者の皆さまと一緒に実際の用例を取り上げ、相互に感覚を共有するインタラクティブな時間を設けることで、両言語の奥深いコミュニケーション文化を体験的に理解する場としたいと思います。
講師プロフィール:
ドイツ・デュッセルドルフ出身。ベルリン自由大学卒業。8か国語の素養がある。2014年日本に活動拠点を移し、異文化間の対話や理解の大切さを発信している。2018年TOKYOFMにてラジオDJとしてデビュー。2019~2023年NHK Eテレ「旅するドイツ語」「旅するためのドイツ語」で番組キャラクター「モーリー」の声を担当。TOKYO2020オリンピック表彰式にて仏語アナウンスを務めた。著書「おしゃべりなドイツ語」(左右社)など。「教養としての『ラテン語の授業』」(ダイヤモンド社)オーディオブックなどナレーターとしても活躍。
過去開催テーマ
2025年9月29日 | ゲーテの詩による歌曲―ブラームス作曲作品を対象にー | 横山 淳子先生 |
2025年7月28日 | 今アーレントから読むことの意味 | 矢野 久美子先生 |
2025年6月30日 | ドイツ大連立政権の動向 | 縣 公一郎先生 |
2025年5月26日 | バウムクーヘンの過去・現在・未来 | 河本 英雄氏 |
2025年4月28日 | トランプ就任後のヨーロッパの地政学的リスクの高まり・ウクライナ戦争の大きな転換期 | 熊谷 徹氏 |
2025年3月10日 | 現代ドイツ文学における「転換(Wende)」の歴史化 ―ルッツ・ザイラー『クルーゾー』を例に |
金志成 先生 |
2025年2月10日 | アンゼルム・キーファーの世界 ーライン川をモティーフとした「風景画」を中心にー | 青山愛香 先生 |
2025年1月20日 | 八木前ドイツ大使をお迎えし新春懇談会サロン | 八木毅 副会長 |
2024年12月16日 | 世界初総合電機企業Siemens社を支える人々はどのように育成されたか? | 田中洋子 先生 |
2024年11月25日 | ニーチェに関する一考察 | 中村憲治 先生 |
2024年10月28日 | カント生誕300年―カントの思想に見る近代ドイツの精神と理念、その影響と課題― | 大森一三先生 |
2024年9月9日 | マルティン・ルターの仕事・思想・影響 | 江口再起先生 |
2024年7月8日 | インダストリー4.0:AIとデジタル化が生み出す日独産業の未来 | 尾木蔵人氏 |
2024年6月24日 | ドイツにおける動物行動学と動物心理学、と私 | 渡辺茂氏 |
2024年5月20日 | ドイツで取得した博士号(Promotion)と教授資格(Habilitation) | 江村牧人氏 |
2024年4月15日 | ドイツの産業を支える研究・人材政策 | 永野博氏 |
2024年3月18日 | 聖書考古学とパレスティナ/イスラエル | 山野貴彦先生 |
2024年2月26日 | 日本と西洋の芸術に表現された<死後の世界> ー鎌倉時代の仏教説話画とドイツ中世の版画の比較を中心に | 青山愛香先生 |
2024年1月15日 | 私の経験した連邦首相―シュミットからショルツまで | 八木毅 大使 |