東原会長 新年度のご挨拶

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2025年度に向けた日独の友好と協力の展望

 平素より、日独協会の活動に対しまして、温かいご理解とご支援をいただき、心から感謝申し上げます。
 現在、世界は大きな変化の時期にあります。ロシアとウクライナの紛争が続く中、国際情勢は不透明さを増しています。アメリカでのトランプ大統領の再任や、中東の緊張、ミュンヘン安全保障会議、そしてドイツ連邦議会選挙の結果などが加わり、将来への見通しはますます難しくなっています。このような状況においては、各国が協力して安定を目指すことが大切です。特に、日独両国は多くの価値観を共有する重要なパートナーであり、これからも協力関係を強化し、共に国際的な課題に取り組んでいく必要があります。日独および独日両協会は、市民レベルでこの関係をより一層深めるために努力してまいります。
 昨年10月にベルリンで開催された「日独パートナーシップデイズ2024」では、ドイツから約100名、日本から約50名が参加し、日独関係の未来について活発な意見交換が行われました。特に参加者の約6割が40歳以下という若い世代が中心となり、非常にエネルギッシュな3日間となりました。この会議を通じて、若い世代を協会の活動に引き寄せることができ、今後の両国の交流に向けた大きな一歩となりました。また、この会議で採択された「ベルリン宣言」に、私とシュタンツェル会長が共に調印いたしました。この宣言では、両国がさらに幅広い分野で協力を深めていくことを確認し、特に若者支援や若者会員の自主的な活動が強調されました。デジタル技術を活用した情報プラットフォームの構築も進め、会員同士の交流を促進し、新しい会員の参加を目指しています。
 昨年は、ジグムント・ドイツ大使主催の「夏祭り」や「ドイツフェスティバル」、獨協大学主催の「ドイツフェス」など、数多くのイベントに参加し、様々な日独関係機関やドイツ語教育に力を入れる高校・大学などとの連携を深める機会を得ました。これらのイベントを通じて、日独両国の結びつきがさらに強まり、今後の協力の基盤が築かれたことに大変感謝しております。ジグムント大使の積極的な支援活動にも、心からの敬意を表します。
 2025年度も、日独協会は4月から始まる大阪・関西万博での活動等を通じ、日独の交流をさらに深めていけることを楽しみにしております。次世代を担う若者への支援をより一層充実させ、また経験豊かな会員の皆様にも充実したイベントをご提供できるよう努めてまいります。経済や文化など、さまざまな分野で新しいプロジェクトを進め、日独関係のさらなる発展に貢献していく所存です。
 最後に、皆様の益々のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。新年度も共に力を合わせ、日独協会の発展に向けて歩んでまいりましょう。
どうぞよろしくお願いいたします。

東原 敏昭
(日独協会会長、株式会社日立製作所 取締役会長 代表執行役)

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